微生物農薬
化学物質ではない農薬の話。
効果も慣行農薬ほどは無く、価格も少し高いので慣行栽培ではあまり使われることはありませんが、多くが使用回数制限が無く、慣行農薬に抵抗性がついた菌にも有効です。
わかり易い例で言うと、納豆菌の一種であるバチルス・ズブチリス菌を主要成分とした農薬があります。
予防剤で浸達性はありません。残効は一週間程度。
※浸達性・・・葉裏まで効果あり。
たまに勘違いをされますが、微生物農薬は病原菌を食べるのではなく、空間・栄養競合などで病原菌を繁殖させない効果を持つものがほとんどです。
つまり、先に入る(感染はしない)ことによって病害菌が入る余地を無くす。
そのため、発病前〜発病初期の段階で予防的に防除する必要があります。
いくつか注意点があり、生きた微生物なので、微生物農薬散布後に化学農薬を使うと効果がなくなる可能性があります。
また、他の農薬との混用や作物の汚れ(防止には上澄み液を使ったり、展着剤を工夫する)などがある場合があります。
同じようなことは土壌でも言えると思うのですが、土壌処理をする微生物農薬は聞いたことがありません。もしかしたらあるかもしれませんが確認はしていないです。
しかし土壌改良材としての微生物資材は沢山あり、慣行栽培でもよく使われます。
目的としては有機物の分解や耐病性向上を謳う物が多いです。